どうも、メケです。
宮部みゆきさんのソロモンの偽証Ⅱ部 決意 上下巻、一気読みしました。
いろんな背景がうきぼりになってきたりとか、キャラが成長している姿が見られてよかったです。特に野田健一。
早く裁判が見たいです!
目次
簡単にざっくりとあらすじ


Ⅱ部:Ⅰ部のしまいで、柏木卓也の一件でニュースアドベンチャー茂木に混ぜに混ぜられて、ただの自殺がえらい騒動にまで発展。さぁさぁどうするどうする?というところからⅡ部は始まる。
4月、3年に進級した。元2年A組はみんなバラバラになった。柏木卓也の一件はうやむやのまま忘れ去られようとしていた。
新3年生の夏休みの課外活動を何にするかという話し合いの中で、藤野涼子は例の柏木卓也の真相についてみんなで調べようと提案した。
ところが担任の高木先生に阻止される形で藤野涼子は体罰を受ける結果となった。みんなの見ている前で殴られたのだ。
それを逆手にとって体罰のことは教育委員会には言わないから、課外活動で柏木卓也の一件をやらせろと、藤野涼子が両親と共に学校側へ取引を持ちかけた。学校側はしぶしぶ了承した。晴れて堂々と柏木卓也の事件の真相について調査できることとなった。
ソロモンの偽証Ⅱ部決意は文字通り、藤野涼子が事件の真相について解明するぞという「決意」と、中学生たちの夏休みの課外活動という形で、裁判形式で事件の真相を明らかにしていくまでの調査がつづられている。
その中ではさまざまな背景というか、見え隠れするいろんな人の人間模様というか、カゲというか・・・。まぁ、すごい。
大出俊次を被告人とし、その弁護側と藤野涼子検事側とに分かれて、実際の8月中の裁判までに事件の真相を調べていくというストーリー。
感想
弁護側
調べていく中で、様々なことが明るみになっていく。Ⅱ部から登場する神原和彦は大出俊次の弁護側で新しく登場するキャラクター。柏木卓也と同学年、塾の時の友達。3中の子ではない。謎多きキャラ。ほぼ、主人公。助手はあの両親を殺人未遂した野田健一。どちらも家庭にカゲを持っている。大出も父の家庭内暴力(DV)というカゲを持っている。この3人が互いに刺激を受けながら、そしていい方に変わっていく様は見ていておもしろかった。
もうちょっと言えば、あの自殺した柏木卓也もカゲがある。みんなカゲのあるもの同士の心の探り合いたみたいなのもおもしろかった。
見ていて検事側よりもこちらの弁護側の話の方が次の展開が読めなくておもしろかった。
検事側
藤野涼子検事、この子は腹黒いというか、見ていてあまりかわいげを感じなかったなー。よく一人だけ独断で抜け駆けをする。勝負に出ると言ってもいいのかな。一応主人公。クラスでも優等生。先生好きされる聡明な美人キャラ。助手の萩尾一美の天然キャラに結構心救われる。一美の天然のボケのつっこみ役であり、藤野涼子の心強い助手でもある佐々木五郎。この二人があの強めキャラの藤野涼子の押せ押せのブレーキ役になってくれているのがほっとする。
どっちが上手(うわて)か
神原和彦弁護人と藤野涼子検事、どちらも思慮聡明で賢い。が、神原和彦の方が藤野涼子よりも1枚も2枚も上手なような感じがする。
なぜなら、あのワルで身体がでかく、腕力にモノを言わせる瞬間湯沸かし器の大出俊次被告人を理屈で手名付けて、藤野涼子とは全く別ルートから真相を解明していっているからだ。しかもあの藤野涼子をからかったりもしている。藤野涼子よりも1枚も2枚も上手だろう。
藤野涼子は父が警視庁の刑事で情報源を持っているというアドバンテージが大きい。とは言え、藤野涼子があの心を閉ざしていた三宅樹里の心を開かせたのはでかい(Ⅲ部の話だが・・・)。
調査中にも同時進行でいろいろ事件も起こったよ
森内恵美子(元2年A組の担任)が殺されかけたりとかね。
大出俊次の親父が警察に捕まったりとか・・。
Ⅱ部もⅠ部に負けず劣らず、十分ひっちゃかメッチャカだったけど、最後らへんはうまくまとまってきておもしろかった。
正直な感想
設定が中学生なんだけど・・・。こんなに賢い中学生はいないだろーって思う。設定、高校生から大学生級じゃない?って正直思った。
あとね、裁判にこぎつけるまでⅡ部上下巻の2冊って・・・、詳細にいろいろあって面白かったんだけど。
もうね、早く裁判やってよって思いながらずっと読んでた。
でね、最後、「おーーーい、裁判まだしないんかーい」っていうところでⅡ部の下巻が終わっちゃうわけね。
引っ張りすぎじゃろー。
現時点での勝手な仮説と疑問点
柏木卓也の死は自殺ではない。他殺だった。
三宅樹里と浅井松子は実際に殺人を見ていた。というか柏木卓也が誰かに追われていたのを本当に見ていた。
けども、本当に大出俊次は犯人じゃない。と、予想。
じゃぁ、犯人はだれだ?
大出俊次の子分井口充や橋田雄太郎なのか? この線は薄い。どちらもクリスマス商戦でうちの商売を手伝っていたはずだ。
じゃぁ、誰が犯人だ?
真犯人はユニバーサル興産の一味じゃないか。
バブル景気がはじける前にもう一儲けするために、ユニバーサル興産は大出会社の資産に目を付けていた。
子の大出俊次を謎の犯人に仕立て上げて、未成年ということですべて丸く収まるように設計。土地だけユニバーサル興産に転がり込んでくるように全て柏木卓也の頃から仕組まれていた。・・とかね。
夕方電気屋の前の公衆電話で電気屋の親父が見かけたのは神原和彦「本人」。神原和彦が柏木卓也の自殺?他殺?を察知して、電気屋の前の公衆電話から柏木卓也に電話していた。と予想。
神原和彦が柏木卓也の死を食い止められなかった。その弔いとして、大出俊次が潔白であることを法廷で明らかにして、柏木卓也がユニバーサル興産に殺されたことを白日の下にさらそうとしていたんじゃないだろうか。
という勝手な仮説をもちながら・・・。
今は・・・
今はⅢ部の法廷の上巻を読んでます。
いつも最後まで読んでくださいましてありがとうございます。
そんじゃぁ、またね。