下町ロケット 池井戸潤

どうも、メケです。

 

今回は池井戸潤さんの作品です。

 

目次

この本を読むのは初めてだけど、テレビで見た覚えがあります

阿部寛(佃製作所の社長)が立川談春(殿村)に向かって「との、との、とのー」と田んぼで叫ぶシーン。横に赤いトラクターがありました。

でも、私が読んだ本「下町ロケット」にこのシーンはなかったなと思い、ウィキペディアで調べてみました。

下町ロケットはシリーズ化されていて、その何処かのワンシーンだったようです。で、私が覚えてたのはたぶん「ヤタガラス」のワンシーン。

 

この下町ロケットのシリーズは結構有名。

知らなかったのは自分だけなのか。

テレビや映画でやっていたみたいですね。

 

「下町ロケット」は①~④の順でシリーズ化されてます。

①下町ロケット

②下町ロケット ガウディ

③下町ロケット ゴースト

④下町ロケット ヤタガラス

 

 

余談 Audibleはタダなのがいい

Audible会員だとこの「下町ロケット」シリーズ全部無料。

だからAudibleはやめられない。

 

Audible 聴いて気に入ったら結局Kindleでまた同じ本買っちゃうんだけどね。まんまとアマゾンの商戦に釣られてます。

 

この他にも池井戸潤さんの作品、7つの会議、陸王、不祥事、半沢直樹シリーズ1~5までがAudible会員は無料で聴けます。半沢直樹好きな人はいいかもしれません。

 

池井戸潤さんの「ハヤブサ消防団」も同じく、Audible会員は無料

このハヤブサ消防団、以前このブログでもレビュー載せてました。

小説はおもしろかったですよ。

7月の13日からテレビドラマ始まります。もうキャストとかもネットには出ています。

このキャスト、自分のイメージからあっている人もいるし、えーーー―ってのもある。これは別枠でちょっとまたブログに書こうかな。

 

下町ロケット 感想

Audibleで聴きました。

ストーリーに引き込まれて一気に聴いてしまいました。

おもしろかったです。

 

 

ストーリーが複雑すぎないのがいい

佃製作所の社長佃航平(主役)が最後は勝つ(笑顔になる)という本筋があり、次々と火の粉が佃製作所に降りかかりピンチを乗り切るというストーリー。

 

途中で佃製作所内で意見が対立し組織が空中分解しそうになったり。

帝国重工にプライドをずたずたにされても、空中分解しそうになっても社員たちが一丸となって、佃品質、佃プライドで難局を乗り切ったり。

ロケットエンジンのキーパーツであるバルブシステムの評価テストに合格し帝国重工へ納品までこぎつけても、特許を先に越されて快く思ってない帝国重工の輩たちにいろんな妨害にあっても、最後はそのキーパーツバルブシステムを搭載したロケットの打ち上げに成功するという。痛快にして単純ストーリー。

僕はこういうの好きだな。

 

娯楽というのは頭空っぽにして夢中になれるもの。まさにこーいうの。

読み終わった後の気分がいい。

爽快な一冊でした。 

 

ざっくりとストーリー

主役は佃航平

元宇宙開発機構の研究員。9年間、研究員としてロケットエンジンのキーパーツであるバルブシステムの開発に携わっていた。

しかし、ロケットの打ち上げに失敗し、責任を取って退職。

親父のあとをつぎ、佃製作所の社長になった。

 

その会社は従業員200名程度の中小企業。

小型エンジンを主力商品とする技術を売りにした会社。

佃はロケットに関わる仕事をしたいという夢を諦められずにいた。佃は主力商品である小型エンジンとは関係のないロケットの水素エンジンに使われるバルブシステムに何十億も注ぎ込み開発していた。

 

ある時、主要取引先の京浜マシナリーから突然の契約打ち切りを告げられ、年間10億円の小型エンジンの売上見込みを失った。そのため当座の資金繰りにメインバンクの白水銀行へ3億円の融資を願い出たが断られた。

ピンチ。

 

それと重なるように大手ライバル会社ナカシマ工業から特許侵害で訴えられ90億の損害賠償の請求を受ける。

ピンチ。

 

佃製作所の顧問弁護士末永は先代からの長いお付き合いではあるが、技術絡みの特許の裁判に疎く、頼りない。

裁判が長期化すれば佃製作所の資金(体力)はもって一年。当然90億なんて金はない。

二重にピンチ。

 

そうでなくっても京浜マシナリーの取引停止で10億の売上見込消失。京浜マシナリーのために新規導入した設備4000万円の債務も抱えてる。

従業員200名の給与支払いもある。

まったくもってピンチ。

 

金がいる。時間がない。なのに「なしのつぶて」。

 

佃はめちゃくちゃピンチに立たされる。

 

そんなところから大逆転のストーリーは始まっていく。

 

喉から手が出るほど佃は金が欲しかった けど 俺には夢がある

帝国重工宇宙航空部 財前部長 20億持って現る

そこへ20億円でオタクの水素エンジンバルブシステムの特許を独占契約させてくださいと帝国重工財前部長より打診がある。

 

帝国重工はロケットに使われる水素エンジンのバルブシステムを自社開発した。世界トップクラスになろうかというバルブシステムだった。なんとそれと同じバルブシステムの特許を三ヶ月前に佃製作所が取得していたのである。帝国重工は佃製作所に先を越されたわけだ。

世界のロケット市場で主導権を握りたい帝国重工はロケット部品すべて内製化を目指していた。ロケット打ち上げのスケジュールもあるし、世界最先端のバルブシステムの特許を自由に使いたいこともあり、帝国重工は佃製作所へ特許買取を申し出たのである。

 

特許料20億円。

佃は心が揺れた。

金がいる。でもバルブシステムを納品しロケット打ち上げに関わる仕事がしたい!と・・・。

 

そう、佃はロケット水素エンジンの元開発研究者。

 

しかし、そこには佃製作所として守らなきゃならんモノもある。

「納品したときのもしもの賠償リスク」と、「ナカシマ工業との訴訟で金がいるのに、特許料を断ってバルブシステムを納品すれば、社内で意見が対立し佃製作所が空中分解してしまうかもしれないというリスク」があった。

 

帝国重工の特許料20億はいらぬ! 社内が二分!ピンチ

佃は特許料20億円の話を蹴って、バルブシステムを帝国重工へ納品する方向へ話を持っていく。

 

しかしながらそのことで佃製作所内で従業員の意見は別れ、佃製作所が空中分解し始める。

ピンチ。

 

佃製作所内での意見は夢派(バルブシステム納品)よりも圧倒的に現実派(特許料もらえ)が多かった。

  

ナカシマ工業との裁判中だし、しかも京浜マシナリーとの取引停止など、先行き不透明。

こんな時に帝国重工へバルブシステム納品という「夢=リスク」はいかがなものかと、反対派と賛成派で社内の意見が2つに割れる。

 

 

やっぱ「夢」やろー! 将来に向けて佃製作所に種まきはいるやろ―!

しかし佃は「夢」「仕事の楽しさ」を大事にする男。

 

当初は特許買い取りを譲らなかった財前は、佃の熱意と工場の人と品質管理のレベルの高さに心を動かされた。財前はバルブシステムを納品の方向で話を進めるようになる。

 

ところがそれを快く思わない連中がおり、財前は特許絡みのこのバルブシステムの案件から外される。

 

佃製作所は社内の意見が二分したまま、冷え切ったムードでバルブシステム部品供給の前段階、帝国重工からの企業審査を受けることとなる。

 

 

財前に立ちはだかる男たち 強引に特許買い取りに動く

水原本部長

それは財前の上席である水原本部長。

水原は帝国重工社長の藤間より「バルブシステムの特許で他社に先を越されたこと」に対して叱責を受けていた。

 

なので是が非でも、ロケットの打ち上げスケジュールを遅延させたくなかった。さっさと特許使用料を佃製作所へ支払って次へ進みたかった。

ところが、財前がバルブシステムの部品を佃製作所から供給してもらうと言いだした。

水原は「今更そんなコト藤間社長に言えるかー!」ということで、財前をこの案件から外した。

水原は富山を使ってバルブシステムの納品阻止を企てる。

 

帝国重工宇宙開発グループ富山主任

この水原が目をつけたのが財前の部下である富山。

富山は帝国重工宇宙開発グループで水素エンジンのバルブシステム開発で佃製作所に特許の先を越された開発の責任者。

つまり、富山は佃製作所に特許の件で嫉妬もしているし、自分の出世街道に水を指された恨みももっている。

富山は、財前にもいい赤っ恥をかいたので「一矢報いたい」とも思っている。

 

ココで水原本部長と富山主任の利害が「バルブシステムの部品納入阻止、特許買い取り」で一致した。

例の時代劇でいうところの水原の富山に対する「代官よお前もワルよのー」と言うやつです。

 

佃製作所、ピンチにつぐピンチを回避

企業審査で佃製作所大逆転 スカッとしたよ!

 胸がスカッとするようなできごとがあり、バルブシステムの品質評価にこぎつける。

 

ナカシマ工業の90億円賠償請求棄却 & 別件ナカシマ工業より50億円和解金ゲット

ナカシマ工業の専属弁護団から独立した神谷弁護士によって、勝訴。

同時に佃製作所が特許侵害で別件をナカシマ工業に賠償請求。勝訴。

佃製作所に50億円が転がり込む。

 

品質評価NG? 

 誤ってNGのロット品を出荷。佃製作所、内部分子の反乱。

 

お前に夢はあるのか 俺にはある

佃とNG品混入の真犯人真野が取っ組み合いの喧嘩になり、佃にぶん殴られる。

真野は退社。

 

佃は内々に迫田を通じて再就職先の研究所を野間にそれとなく紹介させた。

佃は真野を心配してたのだ。

 

数年後、真野が当時の再就職先紹介のお礼とともに、のちの「人工心臓弁の開発」を佃に紹介。これが「下町ロケット ガウディ」へと話は繋がっていく。

 

品質評価NG? 財前氏のはからいで藤間社長の目の前で1発逆転ホームラン

品質評価合格になる。

特許買取ではなく、バルブシステムの部品を作田製作所から納品してもらうこととなった。

 

エンジンテスト失敗 え?佃製作所のバルブに異常?

 ここでもまた佃製作所に立ちはだかる敵どもが現れる。

 佃社長の大発見。二酸化ケイ素の仕業。

 帝国重工のフィルターが原因。佃製作所の濡れ衣は晴れる。

 

 

 

池井戸潤の本は読んでて「スカッ」とする 帝国重工の企業審査にて・・・

殿村の「何か勘違いされてませんか、村田さん」

ここはむちゃくちゃスカッとしましたね。

帝国重工が企業審査に訪れていた村田に対し、殿村の放ったひとこと。

村田は例の「悪代官こと富山の手先」で企業審査で落とすために佃製作所の財務状況を評価しにきていた。だから評価する気もなかったので佃製作所をボロカスのけちょんけちょんにけなしてたわけだ。

 

そんなところに、あのとどめの殿村の「一発」はスカッとした。

言ってみたいよリアル世界で「何か勘違いされてませんか」って。。。

 

村田の「誰に向かって言ってるんだ」に対して迫田の「あなたしかいないでしょ」

これもスカッとした。

迫田は佃製作所の経理部係長。一流大学卒業もバブル崩壊後で何十社も落ちた挙句、中小企業佃製作所に拾われた男、頭はキレル、物怖じしない男。

もともとは「納品するなら金をくれ」の現実派だった男。だから審査に落ちて特許料だけさっさともらえばいいやんと思っていた人。

しかし前日の企業審査で部長たちが帝国重工村田にけちょんけちょんにされてるのを見て、なんだか自分たちが否定されてるみたいで・・ということで奮起した男。

徹夜して宿題事項の膨大な資料整理を若手ともどもやってのけた人物。技術では先に特許を取った佃製作所の方が上。「佃品質、佃プライド」にかけて言うだけのことは言うと腹を固めた男。

 

迫田のキレッキレの切り返しに舌を巻く田村。

しまいには「帝国重工さんはそんな鉛筆をなめなめぐらいのいい加減な予測にもとづいて経営されているのですか」とか、

村田が逆切れして「誰に向かって言ってるんだ」に対して、

迫田が「村田さんに対してに決まってるじゃないですか」とか「根拠もないのにいい加減だなんてそれが帝国重工の評価方法なんですか」とか。

 

聴いてて胸がスカッとしたよ。

 

そして江原が畳みかける「村田さん、あなたにはうちの会社を評価する資格がないよ!」

江原は第一営業部係長。迫田同じく若手で若手のリーダー格。

帝国重工の村田に食って掛かった。

「村田さん、あなたは中小企業未満ですね。あなたなにしにここに来てるんですか?」

「しっかり評価する気がないならやめてもらえませんか?」とか。

 

そして村田は「ああ、こんなことやめて、さっさと特許売ればいいんだ」と売り言葉に買い言葉。

 

殿村の「うちは困りませんのでどうぞお引き取りください」と。。。

そして、殿村がここで放ったのだ。

「なにか勘違いされてませんか、村田さん」

「こんないい加減な評価しかできない帝国重工にウチの大事な特許を使ってもらうわけにはいかないですね。ウチは困りませんのでどうぞお引き取りください」と・・・。

殿村とは白水銀行から出向していた佃製作所経理部の部長(いわゆる迫田係長の上司)。

 

もうまさに、リアル世界でこんなこと言ってみたいシリーズの「ナンバーワン」をあげたいぐらいだ。

こんな小説の中でしかスカッとできない自分にちょっと「あれっ?」とは思いつつも、爽快感が頭を駆け抜けた瞬間でした。

 

まとめ

いやー、おもしろかったです。

他にもスカッとするシーン何個かあったんですけど、書くとキリがないのでやめときます。

 

今回も当たりでした。

ごちそうさまでした。

 

そんじゃぁね。

 

 

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